第4章 ふわふわの綿菓子のよう
そうこうしていると、もう夕餉ができたので居間へと運ぶ。
「小芭内さんお待たせ致しました。」
「ああ」
小芭内さんは、鏑丸さんの頭を指先で撫でていた。チロチロと赤い舌を出して、どことなく嬉しそうな鏑丸さん。かわいいな。
シュルシュルと小芭内さんの腕を伝って、鏑丸さんはいつもの場所に戻った。
「鏑丸さんはいいですね、小芭内さんに可愛がってもらえて」
何気なくそう発した言葉に、自分でハッとして口元を押さえる。何を言っているんだ私は。
ほら見なさい。小芭内さんが固まってしまったではないか。私のバカ!
「ち、違うんです小芭内さん!今のは言葉の綾と言いますかなんと言いますか……」
「……」
何か言ってー!