第4章 ふわふわの綿菓子のよう
「へ!?小芭内さん!?」
「日も暮れたし面倒だ。走る。
お前は俺の速度に着いて来れないから
抱いた方が速い」
まぁそりゃそうですけど!柱移動されたら一瞬で見失う自信ありますけど!
「掴まれ」
小芭内さんはそう言うと、シュン!と走り出した。もう速すぎて目が回るどころか景色がポンポンと変わっていくような感じだ。
しかもあっという間に屋敷の前。
「は、早すぎ……」
小芭内さんはスタスタと屋敷に上がり、玄関で私を降ろしてくれた。
「それじゃあ小芭内さん、夕餉の準備しますから、居間でお寛ぎ下さい」
そう言って私は台所へと向かった。