第1章 泣く
俺を高校卒業まで育ててくれた親はこんなに鈍感だっただろうか、歳か?
「俺の人生にが必要だから連れていく。」
ガタッと音がして隣を見れば進路を考えろと言っておいた筈のが真っ赤な顔をして椅子から落ちそうになってテーブルにしがみついていた。
「何をしている?」
「なっ!だって!リヴァイが!え?え??」
俺がなんだ。お前は俺の言葉を信じて待っていたんじゃないのか?今さら迎えに来ると改めて言った事になぜ動揺する。
そもそもなんでオートロック付きの広いマンションに越したと思ってんだ。
あのアパートにお前と暮らすんじゃ狭いだろうが。
「あなたたち、いつから付き合っているの?まさかリヴァイがホームにいる頃からじゃないでしょうね?」
「はぁ?そんなわけねぇだろそもそも付き合ってねぇよ。」
アンナは額に手をあてなんと言うべきかか言葉を選んでいるという感じだ。あぁ、ホームに住んでるときよく見たな。
「リヴァイ、あなた相変わらず言葉が足りないわね、の事を好きなのよね?」
馬鹿言え、俺はホームにいる男の中では結構喋る方だ。
「当たり前だろうが、未就学のガキ相手でもないのに好きでもない女を抱いてあやしたりするかよ。」
面倒だろうが、泣き顔が不細工だろうが、俺が欲しいと思う人間はだけだ。
俺の言葉にもアンナも絶句しているが俺にとっては今更な話だ。
「別にを連れていってもホームへの仕送りはやめねぇよ、コイツが進学したいなら金は俺が持つ。それでも何か問題があるのか?」
ホームから出て2年目あたりから俺は仕送りをしている。
自立したらホームに金を入れる気でいたし、を迎えに行くつもりでいたので余裕のある収入が欲しくて今の仕事に就いた。
なんなら最近株も始めたのでそこらの大卒より稼いでいる自信はある。
「ホームへの仕送りなんていいのよ!いつも言っているじゃない!自分のために使いなさいって!」
「俺が好きで送金してるんだから文句ねぇだろ。自分の息子が高給取りでよかったとでも思っておけ」
「もう!リヴァイ!!」
の話だった筈が俺からの仕送りの話に変わってた上にギャンギャンうるせーアンナにやっぱり歳かと半ば諦める。