第7章 卒業おめでとう【不死川実弥】
結論、着替えとかないと困るだろ?という事で…私の部屋に帰ってきた。
先生が私の部屋でシャワー浴びてるとか…目眩がしそうな状況の中、とりあえず落ち着こうと2人分のコーヒーを時間をかけて淹れた。
「お先。…コーヒー淹れてくれたのか?」
『…はい…っ、…どうぞ。』
シャワー上がりで腰にタオルを巻いただけの姿。上半身は裸…。だいぶ目のやり場に困る…。
ガッチガチに緊張してしまい…コーヒーの味が分からない。
そんな私をコーヒーを飲みながら、微笑んで見ている先生。
「…シャワー、浴びてくるか?」
『…い、行ってきます…。』
先生の半裸は見ていられないし、コーヒーの味はわからないし飛び出すように部屋を出て浴室に入った。
ーーーーーーーー
『…お待たせ…しました。』
少し長めにシャワーに打たれ、ちょっと冷静になれた。
何を着ていいかわからなくて、でも流石に先生みたいにタオル1枚は無理…。Tシャツに短パンと色気ない格好だと思ったけど、自分の持ってる中の1番可愛い服を選んだ。
ベランダで煙草を吸っていた先生が私の声に気付き、振り向く。
私がシャワーを浴びている間に着替えたようで、タオルじゃなくてズボンを履いていた。…上半身は相変わらず裸、だけど。
「…随分、可愛らしいなァ」
携帯灰皿で火を消して部屋の中に入ってきた。
す、…と頬を撫でられ…キスされる。
煙草の匂いと少し苦い味が広がる。ゆっくりと歩きながらキスをして、足がベッドの淵に当たりそのままそこへ腰を下ろした。
ちゅ…と、リップ音を立てながら離れる唇。
視線の先には、見たことない先生の顔。…経験のない私でもわかる。…「私」が欲しいって、顔に書いてある。
「…良いか…?」
ぎゅっと抱き締められ、耳元で囁き問われる。
私が首を縦に振ったのを合図に、ベッドにゆっくり押し倒された。
「…一応聞くが…初めて、だよな?」
『はい…。…すみません、経験不足で…。』
「…このまま、…俺しか知らない身体でいろ」
ニヤリと笑って深く口付けられる。…結構とんでもない事言われた気がするけど、…今はそれどころじゃなくなってしまう。