第1章 美術室の悪戯【宇髄天元】
「…紗英…悪いけど、もう限界だわ。」
そういうと先生は私の手を取り立ち上がって、美術室の奥…
美術準備室という名の、先生がほぼ私有化している部屋へ入っていった。
カチャン……ーー。と鍵の閉まる音が2人だけの部屋に響く。
『……先生…?』
夕暮れの準備室は薄暗く先生の表情がよく見えない。先生は無言で手を引いたまま、準備室に置いてある余裕で5人くらい座れそうな大きなソファーの前まで来た。
少し乱暴にソファーへ投げられ、私はスプリングがきいたソファーへ着地した。
『!!先生、急になにっ……ッッ!?』
体勢を整え、先生の方に振り返ったつもりがあっという間に天地がひっくり返されていてソファーに押し倒されている。
「ずう…っと、我慢してたんだがなぁ。悪いが限界だ。…こんなところが初めてでムードねぇけどよ…」
瞬きも出来ない。先生の余裕無さそうな顔。
少し眉を下げて申し訳なさそうにしてるのに、その手は私の制服を脱がそうとブラウスの釦に手をかけている。そのアンバランスさに目眩がした。
「…いいか?…紗英…?」
首筋に軽くキスをされただけなのに身体中に電流が流れたみたいにビクッと震えた。
『…ずるいよ、先生…』
「なにがだ?」
『…断るわけ…ないじゃない……ずっと……こうしたかった……っ』
ずっと秘めていた想いを口にしたらポロポロと涙が零れた。
「…そうか。じゃあもう遠慮しねぇわ。」
先生はニィっと片方だけ口角を上げて笑うと、一旦私の服から手を離し自分が着ているパーカーを脱ぎ捨てるのだ。