第15章 恋スル乙女【竈門炭治郎】
「…紗英。」
耳元でいつもより低めの声で名前を囁かれれば、ピクっと肩を震わしてしまう。
「…嫉妬、してたの?」
抱き締めたまま、静かにそう問われた。
『!?…っ、……ええ、そうよ…っ』
炭治郎くんの浴衣を掴む指先に力が篭る。
…気付かれていたんだ。匂いでわかってしまったんだろうか。
気付かれたくないとは思っていたけれど、明らかに私の態度はおかしかったから…告白して謝ろうと思っていたのに、先を越されてしまった。
「…俺と、カナヲに…嫉妬した?」
『…えぇ。』
少し身体を離され、恐る恐る炭治郎くんを見上げれば…
少し、意地悪な笑い方で私を見つめている。
『男の人』の顔をしていた。
「紗英が妬いてくれるなんて。…男冥利に尽きるね。」
ニヤッと笑い私の浴衣の前合わせからスルっと手を差し込んできた。
『!?…っ、あ…ぁ、んんぅ…っ!』
乳首を指で痛い程に摘まれ、転がされれば自然と声が漏れてしまう。
反対の手で少し帯を緩め、襟を抜かれれば上半身だけ炭治郎くんの前に曝け出してしまう格好になる。
「…乳首、もうこんなに立ってるよ?…どうして?」
乳房を持ち上げるようにやわやわと揉みながら、首筋や鎖骨にゆっくり舌を這わしてゆく。
舌先が優しく乳輪をなぞったと思えば、カリッと乳首に歯を立て噛まれる。
『!?ひっ!!?…ぁああ!っ、んん…っう…ぁ!』
乳首を噛まれただけで、小さく達してしまった私は少し息を乱し、炭治郎くんの胸に身体を預けた。
「…もう、達しちゃいました?胸だけですよ?まだ。」
トン…と、座布団の上に押し倒され見上げる炭治郎くんの顔は…まるで獲物を前にした飢えた獣みたいに怪しく微笑んでいて…その表情に、私の胎内は震えが止まらなくなってしまう。
ああ、…食べられる。
そう、覚悟した。