第13章 桜色に染まれば【煉獄杏寿郎】
振り返り、杏寿郎くんと目が合う。
見たことない…色を纏った目付きに息を飲めば、そのまま口付けられてしまった。
『…っ、ふ…ぅ、ん…!』
何度も何度も、角度を変え押し当てられる唇。どこで息継ぎをしていいのかわからず、苦しくて酸素を求め口を開けてしまう。
『は…ぁ、…杏寿郎くん…苦し…っ…んぅ…!』
口を開ければ、ぬるっと舌が捻じ込まれいとも簡単に舌を絡めとられ口内を犯される。
苦しいのに…、どこで息継ぎをしたらいいのかわからないのに…気持ち良くて…。
身体の奥が熱くて、あそこが…なんだかムズムズして、もっとして欲しいと本能が杏寿郎くんを求めてる。
「っ…、蕩けた顔をしてくれるな。…抑えがきかなくなる。」
唇を離し、少し上気した顔の杏寿郎くんはそう言って私の事を抱き締めた。
『…、抑えなくて…いいから。抱いて…杏寿郎くん…。』
ギュゥっと抱き返せば、杏寿郎くんの肩が少し揺れて…耳に届く心音は…早く大きく鼓動を打っていた。
杏寿郎くんも…緊張しているのかな…?
こうさせているのは私なんだと思えば嬉しくて、自然と頬が緩んでしまう。
「…全く。我が妻は誘うのが上手だな。…どこで覚えてきたんだ?」
手早く帯を抜き解けば、あっという間に襦袢姿にされ流石に恥ずかしくなり身を隠すように自分の体を抱き締めた。
『…私ばっかり…恥ずかしい。』
「ん?そうだな。俺も脱ごう。」
さくさくと着物を脱ぎ、杏寿郎くんの鍛えられた身体が露わになれば余計に恥ずかしくなってしまい…目のやり場に困る。
見てられない…と、視線を逸らし窓の方に目を向ければ…そこが開けっぱなしであった事に気が付いた。
「…どこを見ている?こっちだろう?」
くいっと、顎を取られ杏寿郎くんの方へ向かされる。
優しく微笑んでくれているのに…その目は獲物を捕らえた獣のように鋭くて…視線が逸らせなくなる。お腹の奥が、熱く震えるような感覚に襲われ『何か』がそこから溢れ襦袢を濡らす。
『ぁ…、ゃ…っ何か……濡れて…っ?』
「どうした…?…脚を開いて見せてごらん?」
見せて…って…?…杏寿郎くんの射抜くような強い瞳。…恥ずかしいのに…断りたいのに。
魔法にでもかかってしまったかのように、従順にゆっくり自ら脚を開いた。