第10章 飴を溶かす【伊黒小芭内】
静かに閉められる襖。
行燈の僅かな灯りだけの室内。
そっと布団の上へと身体を下ろされ座らされる。
『……小芭内…?』
何も言わない小芭内に不安を覚えて小さく浴衣の袖を引いてしまう。
「……償ってもらうと言ったはずだ。お前に頼まれずとも抱く。」
私の浴衣の帯紐に手をかけ、いとも簡単に解かれる。
はだける胸元を隠そうと思うのに…小芭内に見つめられ…、動く事さえ出来ずにいた。
「…思っていたよりも、ふくよかな胸だな。」
はだけた浴衣の前合わせから手を差し込まれ、撫でるように乳房に指を這わされる。
『…っ、…蜜璃には敵いませんよ…』
「大概しつこい女だな。それとも何か?余裕なのかお前は。」
きゅっ、と乳首を摘まれると痛みと同時に甘い痺れが全身に回る。
『ッ…ぅ、や…ぁ…っ』
コリコリと乳首を強く摘まれ、転がされる。反対の手は絹でも撫でるかのように優しく乳房を揉み…その不均等な動きにゆっくりと追い詰められてゆく。
『は…ぁ…、お…小芭内…ぃゃ…ッ…!』
「どうした…?物足りないか?」
物足りないか、と問われた途端に下半身の方でジワっと自分の愛液が溢れてしまう感覚がして顔が熱くなる。
『…っ…、いえ……』
嘘…足りない…。もっと、…もっとして欲しい。
嫉妬も、素直になれない私も…何もかも…取り除く程に、忘れてしまう程に…抱き潰してしまって欲しい。
「…さっきまでの素直さはどこへ行った。……まあ、いい。嫌でも素直にさせてやる。」
ちゅ…、と軽く口付けされる。
半端に脱がされていた浴衣を剥ぎ取られ、背後で手を組むように両手を縛られた。
心無し背筋が伸び、胸を突き出すような姿勢になり乳首が浮き出ているのがよく分かる。
『…いや…。…恥ずかしい…です…』
「…嫌々うるさい。足も縛ってやろうか、お前。」
乳首を指で引っ張っては離され…ふるっと乳房が揺れる。
もう、小芭内にされる事全てが気持ち良くて…思考回路が奪われる。
『ぁッ…!!や…ぁ、ん…小芭内の…好きに、して…下さい…』
堪らず懇願してしまう程に。