第1章 美術室の悪戯【宇髄天元】
『…大丈夫。…ちょっと、お腹が変な感じ…』
「…そうか。明日から連休で良かったな。無理すんな。」
そう言ってまた頭を撫でてくれる。なんだかとんでもなく甘い。
『…せんせ?』
「んーー?」
『…気持ち、良かった…?』
百戦錬磨みたいな先生が、処女の私として満足できたんだろうか…なんて。少し不安になった。
「なーに、つまんねぇこと心配してんだよ!」
心の声、聞こえたの…!?頬を軽く抓られてしまった。
『…いひゃい(痛い)』
「…無茶苦茶良かった…うっかり中出ししそうになったわ」
にやっと悪戯っ子のように笑っている。…言ってる事は中々穏やかではないのだけど。
『…まだ、だめ。』
恥ずかしくなって胸にかけてあったブランケットを口元まで引き上げた。
「…まだ、ね。…じゃあ『その日』まで、ちゃんとゴムしないとな」
『??…うん。』
先生の言う、『その日』の意味がいまいちわからなくて少し首を傾げながら頷いてみせた。
「……お前が、俺の嫁になる『その日』までな。」
そう言って、そっと私の手を取りその甲にキスを贈る。
……どっかの国の王子様なの…!!!??
予測もしていなかった先生と生きていく未来を、既に先生は考えてくれていた事が嬉しくて胸が熱くなった。
『…天元さん…』
「…!!」
『…大好き、お嫁さんに…してね』
ブランケットがはだけるのもお構いなしに、ぎゅうっと抱きついた。それに合わせて、先生も抱き返してくれる。
「…紗英…うち泊まれ。…親御さんが許すなら、連休中ずっと」
『…大丈夫、だと思うけど。…なんで?急に』
身体を離し、先生を見上げると…とても上機嫌のように見えた。それはもうニコニコと、満面の笑みを浮かべている。
「…花嫁修行しようじゃねえか」
そう言うとブランケットがはだけ露わになっていた乳房に手を添えた。
『!!っ…せんせぇ!』
「2人の時は名前で呼べよ。ほら…、さっきみたいによ」
『…て、…天元、さん…』
照れてる私を無視して頬にキスをする。
こうやって、…私を翻弄し続けて。叶うことならこの先、一生。
「帰ろうぜ、紗英…俺の家に」
花嫁修行という名の連休が、始まろうとしている。