第4章 ぬくもり
「でも勝手に撮られちゃってるからね~…」
「じゃ、カメラに水かけて壊しちゃう!」
おいおい。
「暴力はダメだよ~」
「えー?じゃあ…じゃあね、アレだ!反射させる!」
「?」
「おっきい鏡バーンって出して、フラッシュ返し!」
「…目つぶし?」
「そうそう!映るのは自分の姿だけ(笑)」
「あはははっ」
いいな、それ。
ていうか、あったよね、そういうの。昔。…ミラーマン?懐かしい(笑)。
「どっから出すの?そんな鏡」
「えー?それは大ちゃんが持ち歩いてるんでしょ?アイドルなんだから」
「…ないわ」
「ダメじゃん!」
「…ゴメン。今日は…今日はたまたま、家に置いてきちゃったんだよ」
「あははははっ!んなわけないじゃんっ!」
「フフフ」
今度からホントに持ち歩くかな。折りたためるデッカイ鏡ってないのか?サッて羽織ったらミラーマンになれるようなマントとか、今ならちゃんとしたの、ホントに作れそうだよね…。
着ないけど(笑)。
「んじゃ、急いで帰ろっか。見つからないうちに」
「うん♪コッソリね!」
手を繋いだまま、少し急ぎ足で歩き出す。