第3章 近づく恋心
違う。先輩は、もっと優しくて…。
そんなに冷たい目、嫌だ。
「ど、して…。先輩……?」
佐「そんな顔すんなよ…弥生。」
体ごと強引に引き寄せられた。
私、騙されてたの?
優しくてかっこいいって思ってたのに。
佐「騙される方が悪いんだろ?」
気がつけば、走りだしていた。
その場から逃げるように。
…先輩から逃げるように。
源「かわいそうだぞ、本当に。」
佐「いつもどおりだろ。」
源「…お前、気になってたんじゃないのか?」
佐「あの子が?」
源「初めて見たぞ、そんな顔。けっこうショックだろ?」
佐「自分でした事だぜ?…まぁ、初めて本気になれるかもな。」