第60章 優しい赤(XANXUS)
赤い宝石を、指で撫でる。ひんやりと指先に感じるその色は、やっぱりXANXUSの目の色とそっくりだなんて。
「…頼華、つけてやるから貸せ」
「!…うん」
XANXUSの手に握られたネックレス。付けてもらうために後ろを向いて、髪を前にやる。
カチ、と首に付けられたネックレスの音がした。
「ありがと…ひゃ!?」
ちゅ、と首に落とされた口付けが少し擽ったい。
「…ちょっと、XANXUS…!」
「…隙だらけだな」
ぶは、と笑う彼に少し顔が赤くなる。
『お待たせしております。こちら、お返し致しますね。こちらが商品になります。』
「…行くぞ」
「はぁい」
店員さんに渡されたものを受け取って、XANXUSに連れ立って席を立った。
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車に乗り込んで、首につけられたネックレスに手をやる。
首元に光る赤い宝石に、口元がにやけるのが自分でもわかる。
「…なにニヤけてんだ」
「!…嬉しく、て」
「…そうか」
にやけていた顔を見ていたとおもえば、恥ずかしくてまともに見れない。けど、恐る恐る彼の目と目が合えば優しいそれが迎えてくれていた。
優しい赤
__あなたと同じ色
(優しく私を見る彼の瞳に)
(私は愛しさが増していた)
end
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たぶん今までで1番短い…
けど満足。