第56章 喧嘩(玄奘三蔵)
「…はぁ?バレた?」
「…頼華にわざと足をかけられてよ。めちゃくちゃ笑顔で”あらごめんなさい”だと。怖ぇー。しかも八戒は完全無視。」
「もう意地張るのやめようぜ」
「…ごちゃごちゃうるせぇ。元々はテメェのせいだろ、エロ河童!」
「あぁ!?お前に言われたくねぇクソハゲ坊主!」
「ちょ、やめろってば!」
もはや2人で言い合いしはじめれば悟空に止める術はなく。悟空は慌てて、八戒と頼華を呼びに行ったのだった。
「…全く、何の騒ぎですか」
「…三蔵、ストップ」
キッチンに入れば今にもやり合いそうなふたりに、八戒は悟浄を、頼華は三蔵を止めに入った。
「てめぇ、頼華、離せ」
「…つか、最初に言わなきゃいけないことあるでしょうが」
「八戒、頼華も。悪かったな。」
「…ほら、悟浄謝ってるじゃん。三蔵は?」
「…何で俺が謝らなきゃいけねぇんだ」
「はぁ…そんなんだからすぐ魔天経文なくすのよ、阿呆変態三蔵法師」
「ンだと!?もっかい言ってみろ!!」
「だいたい、何で操られてるわけ!?三蔵法師のくせに!」
「ありゃ仕方ねぇだろうが!」
「……しかも助けに行けば好き勝手触られてるし」
「…お前の怒りはそこか」
「なん…っ!!」
三蔵に半ば無理やり手を引かれた頼華はいつの間にか彼の腕の中で。
「…もういい加減機嫌直せ」
「…阿呆三蔵」
「阿呆でいい。」
「…玄奘の馬鹿」
「あぁ馬鹿だな」
「いつも余裕なのムカつくんですけど」
「やっと仲直りしたか、なんか疲れたわ」
「俺疲れて腹減ったー」
「…ふ、」
「何笑ってんだよ、八戒」
「いや、何でも」
漸く笑顔で三蔵とやり取りする頼華を見て思った
夫婦喧嘩は犬も食わない
__まさにこのふたり、ですね
(…で、だ。お前、カード持ち出したろ)
(いーじゃん。玄奘のせいだもん)
(…ほぉいい度胸だな)
(…ちょっと!ここで盛るな変態!)
end
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いくら仲良くても喧嘩しますよねー
かわいい。笑