第54章 似た者同士(男鹿辰巳)
古「なんか日に日に強くなってる頼華ちゃん…可愛いのになんでだぁぁぁ!!」
ヒ「うるさいぞ、古市。あれが頼華の本来の姿だろう。」
「バカっつー方がバカなんだぞ」
「バカにバカっていわれたくないバカ辰巳。ねー、ベルちゃん」
「あー!!」
「ベル坊、お前頼華ばっか贔屓しすぎだろ」
そう言いながらも隣を歩く頼華の手を握る男鹿。頼華に抱えられているベル坊はきゃいきゃいと言いながら笑っていて。
それを微笑ましいな、なんて見ているヒルダだった。
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「…で、これはどういう状況」
「あ?俺の上に座らせてるだけだろ」
「いや、あのね…」
古「俺は何を見させられてるんだ」
「古市見んな」
古「お前が目の前でしてるのが悪ぃんだろ!!」
皆で教室に戻ったのだが。
頼華を膝の上に抱え、彼女の膝にはベル坊。機嫌がすこぶるいいのか鼻歌を唄うベル坊と男鹿。頼華はもう諦めたのか男鹿にべったりだ。
目の前で繰り広げられているこれはなんだ。
古「彼女が欲しい俺への当てつけか!?」
「喧しい、古市」
男鹿は面白いのか頼華の頭を撫でていて。それに縋るようにして身体を預けている頼華。
古「…こんの、バカップルがぁぁぁ!」
「お褒めの言葉をありがとう、古市くん」
古「褒めてねぇよ!!」
夏「あーらら、仲がいいねぇ」
神「あれ、お前の妹だろ。男鹿と付き合ってたなんてなぁ」
姫「まぁ頼華が選んだ野郎なら文句言わねぇよ」
石矢魔高校でふたりを知らない人間はもはや居ない。東邦神姫の姫川の妹が”あの”男鹿と付き合ってると知れた時は色んな意味で凄かったが。
屋上で邦枝葵を一発で沈めた頼華に、東邦神姫とやり合った男鹿。もはや名物バカップル。
1年の教室の廊下を、たまたま通って妹を目にした姫川はさすが俺の妹だなと思っていた。
似た者同士
__まさしくこいつらのための言葉
(辰巳ー、)
(どうした)
(…ふたりきりになりたいなーなんて)
(…珍しいこというな)
(…いや?)
(むしろありがてぇよ)
(早くどっか行けこのバカップル)
end
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バカップルすき。笑