第49章 夢の中で(一方通行)
打「さーみーしーいー!って、ミサカはミサカは涙目になって頼華を見る!」
今日は定期検査の日。打ち止め(ラストオーダー)以外の御坂妹達(シスターズ)は、普段病院にいるために定期的に検査しているのだが。打ち止めといえば、普段は一方通行と頼華と一緒に過ごしているため今日は定期検査目的として暫く入院することになった。
「ちゃんと毎日来るから寂しくないからね?」
打「毎日来てくれるの…?」
「もちろん!ね、一方通行」
「…仕方ねぇな」
打「わーい!わーい!!」
「毎日来るかわりに、ちゃんと言うこと聞くんだよ?」
打「わかってるって、ミサカはミサカはベッドで跳ねてみたり!」
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暫く落ち着かなかった打ち止めが、検査に連れていかれて病院を一方通行と出る。
「…寂しいんじゃない?」
「んなこと言ってんじゃねーよ、馬鹿が」
「素直じゃないんだから」
「…はいはい」
一方通行とふたりきりになる、なんてはじめてかもしれない。そもそも打ち止めがいる前提で過ぎていく日々。夜になって打ち止めが寝た頃に、なにかと甘えてくる時はあれども、それも片手で数えられる程度で。
ただ今は、先を歩いていく彼に正直ほっとしている。なにを話せばいいのか、正直分からないから。
なんて思っていると、急に立ち止まった一方通行に気づかず彼の背中にぶつかってしまった。
「…何してやがる」
「ご、めん。前見てなかった」
「…はぁ。ったく、そうじゃねぇ」
ぎゅ、とふいに握られた左手。
「え…」
「…何驚いてんだ」
「えと…杖なくてもいいのかなって」
「…お前が居るんだから平気だ」
「…そう」
「…ちゃんと隣歩いてろ、頼華」
「!…うん」
周りから見ればこれは恋人同士に見えてるのかな、とか思ったり。え、でも好きとか1回も言われてないよね?とかでも一応その、恋人同士がするあれ…ちゅーとか?はしたよね?とか頭の中でグルグルと余計な思考回路が駆け巡った頼華だった。
一方通行といえば、通り過ぎていく男たちの目線が頼華に注いでいるとわかり、牽制のために手を取ったのだけれど。
言葉の足りないふたりはお互いの思考を知る由もない。