第41章 決意(XANXUS)
俺はこんな気持ちを、抱えている場合ではないのに。
頭ではそう分かっていても、俺の冷えきった心に入ってくる彼女の歌声に苛ついている。
この、気持ちなんて、俺は知らない。
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ベ「…なー、マーモン」
マ「どうしたんだい、ベル」
ベルフェゴールは、頭の後ろに手をやりながら先程のことを思い出す。
どうすれば、頼華を助けられる?
きっと頼華は、この状態が続けば完全に壊れてしまうのは分かってる。
あの顔。
泣いていたことが、俺にでもわかるほどに両目は充血していて。
腫れぼったくなった目。
顔つきも、俺とはじめて会った頃の笑顔なんか全くないし、顔色も悪かった。
でも、俺にはわからない。
どうすれば、彼女を救えるのか、なんて。
ただ心配で、仕方なくて。
兄妹みたいに育ってきたから、助けてあげたいけど
頼華が求めているものはたったひとつ、それだけは分かる。
ベ「…ボスんとこ、行かね?」
マ「…奇遇だね、僕も同じこと考えてたよ」
マーモンも同じ気持ちだった。
毎日、夜になれば聞こえてくるあの歌声。
悲しみに満ちたそれは、助けを求めるように聞こえていたから。
ベルフェゴールやマーモンだけでなく、それはヴァリアー幹部全員が思っていたことで。
ふたりは目を合わせると、XANXUSのいる部屋に向かっていった。
決意
___それは君を助け出せる、
たったひとつのもの
(…シシシッ)
(なに笑ってんだァ、ベル)
(なんでもねーよ、スクアーロ)
もう、大丈夫。なんて。
end
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ベルフェゴール視点で書いてみました。
みんながふたりを見守ってるといいですよね