第41章 決意(XANXUS)
ねぇ、わたしたちは偶然出会ったのか、なんて今となってはわからない。もしかしたら、あなたが最後に逃げ込んだ場所がわたしだったのかもしれない。
8年前、ボンゴレ総本部で開かれたパーティ。父に連れられて、私は参加していた。周りは大人たちばかりで。その場所で、唯一歳の近いベルフェゴールと仲良くなって。
そんな中に感じる、異常な殺気。ひとり、ただ壁にもたれていたあなたを見て、子供ながらに最初は恐怖を覚えた。
この人には、誰も逆らえない、と。
あの、紅い瞳の奥にある、憎悪や憎しみがすぐ、わたしの中に流れ込んできたから。
その出会いが必然のはじまりで。
あなたと共に、あなたのそばで、闘いたい、と。
いつしかそれが、愛情に変わるとはわからずに。
記憶の奥底に葬ったはずのあの記憶、思い出したくないはずの、”揺りかご”。あの”争奪戦”。
2度も私の前で、凍らせられるあなたの姿は、色褪せることはなく、毎日私の中で思い出される。
きっと、いつかあなたの気持ちが繋がるように、なんて願いは届くのかな。
私は、今日もあなたを思って___
「…頼華?」
コンコン、とノックされる扉。入ってきたのはベルフェゴールだった。
「…どうしたの?」
ベ「あー、最近顔見てねぇなって思って」
来ちった、と、ベルフェゴールはソファに座った。
ベ「…お前、ちゃんと寝てる?」
「…寝てるよ」
ベ「…なら。なんでそんな顔してんの」
「…え?」
ほら、と指を指すベルフェゴールのさきには窓ガラス。そこに反射してうつる、私の顔。
「…ひどい、顔」
歌っては、泣いて。泣いては、眠り、起きては、泣いて。
その繰り返しの日々。
ねぇ。XANXUS、あなたを思えば思うほどに。
私はいつもここから、祈ってる。
あなたを苦しませる、すべてのものに。はやく終わりが来て欲しいから。
「…ねぇ。ベル。」
ベ「…ん?」
「…なんでもない」
ベ「…大丈夫なんじゃね?」
「…え?」
もうすぐだよ、頼華。
そういう彼の言葉に、私は少し救われた気がした。