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Amor vincit omnia__愛の勝利

第37章 表裏一体(XANXUS)





「…今、なんて言ったの」


もう一度言って、と少女は目の前の男に問う。

状況がいまだ飲み込めない彼女は、真っ直ぐな瞳を男に向けていた。














今日は朝から任務が盛り沢山で。
昔からボンゴレを敵対視しているマフィアが、最近勢力を付け始めたらしく。次々とボンゴレのシマを襲撃しているとの情報で、Ⅸ代目から勅命を受けたヴァリアーは皆朝から出払っていた。



普段なら、XANXUSと少女は同じ任務を請け負うはずなのだが彼は今朝からひとりで任務に向かっていた。少女といえば、珍しくヴァリアー邸で皆の帰りを待っていた。



普段の任務から、通信機でやり取りしている彼らには逐一情報が手に入っているのだがXANXUSからだけは連絡がなく。

最初は通信機をまたぶっ壊したやがったか。なんて思っていたが耳に響くのは銃声音や奇声。聞こえては来るから壊してはいないはずなのだ。それに、朝頼華は絶対通信機を壊すなと、XANXUSに口煩く言っていたから壊すことはないだろう、と。



襲ってくる敵を次々に薙ぎ倒しながら、スクアーロは再度XANXUSへの通信を試みる。しかし、やはり返事はなく。


「チッ…おい、どうなってやがる」


苛立ちながらもスクアーロは、偵察部隊にXANXUSの様子を見に行くように指示したのだった。







「…んだとォ!!??」


さすがヴァリアークオリティ。偵察部隊からの連絡は早いものだった、が耳にした内容に一瞬戸惑っていた。


あの、XANXUSが。敵城の地下に幽閉されている、なんて。













さぁ、どうしたものかと考えたスクアーロだが頼華に言うべきなのか正直迷っていた。
頼華の過去の暴走を、思い出して。






「…仕方ねェかァ」


我先にヴァリアー邸についたスクアーロ。まだ誰も戻ってきては居ないようだ。




「…部屋か」



ダイニングにも会議室にもいない。ならば、この部屋だなとおもいXANXUSの執務室を開けた。



「…スクアーロ?」







スクアーロは重い口を開けた。






「…ボスと、XANXUSと連絡がつかねェ」と。



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