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Amor vincit omnia__愛の勝利

第35章 あなたと(XANXUS)



ヴァリアー邸に向かう車内。XANXUSと頼華以外のヴァリアーの面々は他の車に乗っていて、運転手を含めなければふたりきりの空間。

「…えーっと、」

「…なんだ」

「…な、なにもない」

姫抱きにされてボンゴレ総本部をあとにした頼華は、車に乗りこんだXANXUSの膝の上に、彼を背にした状態で座らされていた。


「…ダメだ」

「…まだ何も言ってない」

こんなにも、人目をはばからずに接近してくるXANXUSははじめてみた。腰に手を回してきたりなどはあれど、ふたりきりにならなければ殆ど触れてくることの無いXANXUSが。

「…ねぇ、」

「…」

「…無視は寂しいんだけどな」

なーんて、と言えば無理やり彼の方に顔を向けさせられたと思うと同時に降ってくる優しい口付け。


「…なんだ、そんな顔しやがって」

「へ…?」

「…チッ」

無自覚なのだろう少女の顔は先程ボンゴレの守護者たちと、話していた時の顔とは違っていて。XANXUSにしか見せない、女の顔。

「…ンな顔すんなよ」

がぶり、と少女の胸元にかぶりついた。

「ん、ゃ…こ、こ…っ!!」

「…気にすんな」


いつしかヴァリアー邸についていた車。彼らのコトがはじまろうとしていることに気づいた運転手はスピードを上げていたから。邸の入口につけると、運転手は慌てたように車から出ていった。
ヴァリアー邸にとうに着いているふたりの車から、彼らが降りてきた頃にはXANXUSの腕のなかでぐったりした頼華がいた。

_______

ベ「まさか、頼華が沢田綱吉の従姉妹なんてよー」

マ「言われてみれば何となく似てるよね、雰囲気」

レ「誰であれ、ボスが認めた頼華様に変わりはない…!」

ベ「けっ。同じ考えなのは癪に障るけど、俺も頼華が誰であろうと関係ねーけど」


なんて夜ご飯を食べながら話していると、ガチャリと開けられたダイニングの扉。

ベ「あ、ボスおかえりー」

「…あぁ」

ベ「ほら、頼華が食べたがってた刺身とってるぞ」

「ベル、ありがとう」

ほのぼのと過ごす彼らの夕食にスクアーロはこんな日も、たまには良いか。なんて思って。



あなたと
__嬉しい時もいつもそばに




end


______

これ、ほのぼの系、なのか。笑
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