• テキストサイズ

Amor vincit omnia__愛の勝利

第33章 帰る場所(XANXUS)






XANXUSが、彼が、何を見ていたか、なんて分かっていた。
だって彼の顔は、あの頃の私と一緒だったから。




「…もう、いいんだよXANXUS」

「…」

「わたしは後悔していない。あの日のことも。」

「…頼華」

「…わたしの過去がどうであれ、あなたが誰であっても。今はあなたのそばに居れるだけで。それでいいんだよ、XANXUS」

「…っ!!」



…そうだ。こいつは、頼華は、俺がⅨ代目の息子じゃないなんて関係ない、といつか言っていた。



過去は過去だ。…過去を受け入れたはずなのに。まだ、俺は未熟なもんだ。結局は、そんな顔させたのは俺自身なのに。










「…クソが」

「…XANXUS?」

「…お前に言われるなんて、な」






俺は頼華を抱き締め返した。



そうだ。俺は、この小さくて、でもどこか信念強いこいつを_______








「…あなたがいれば何もいらないから」

「…そう、だな」







どれだけ思考をめぐらせても、こいつのような強い信念にたどり着けるはずもなく。

最初はただ、か弱い、としか思ってなかった。

餓鬼だと思っていた。

9歳も年下に現を抜かしてる暇なんてないと思ってた。



それは、気づけば守りたいという気持ちに変わっていて。

だからこそ、木の下で久しぶりにみた頼華の笑顔に、誓ったはずなのに。










「ねぇ、XANXUS」

「…何だ」

「…んーん、なんでもない」



先程とは違い、悲しみに満ちた顔ではなくなっていて。



穏やかな空気がふたりを包む。
きっと、もう、悪夢を見ることは無いだろう。









帰る場所
__わたしの、俺の、たったひとつの





(あなたの帰る場所になりたいから)

(どんな暗闇のなかからでも見つけ出すよ)








end


______

アニメで、vsヴァリアー見てたら
描きたくなりまして……




/ 375ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp