第31章 立ち塞がるもの(一方通行)
魔術師たちを相手取った能力戦。
そんな中、一方通行は頼華とともに動いていた。
未だに目が覚めない、最終信号(ラストオーダー)。
それを頼華は抱えたまま、一方通行に着いていく。
「……お前は大丈夫か」
「うん、へーき。一方通行こそ、大丈夫?」
「…人の心配してる場合か」
なんて会話をしている時、空から少女が降ってきた。
「なんだぁ……?」
「やっほー、第1位様」
「……あぁ゙?誰だテメー」
一方通行は少女が被っていた、顔全体を覆い隠すゴーグルを、一瞬にして吹き飛ばした。
「あ゙……ンだ、テメー」
「……ねぇ、あれ……美琴ちゃんにそっくり……」
「ミサカは第三次製造計画(サードシーズン)で造られた、御坂妹(シスターズ)とは違う製造ラインで造られた、御坂美琴のDNAクローンよ」
「第三次製造計画、だと!?」
それは一方通行の『たとえ何があったとしても、妹達や打ち止め(ラストオーダー)といったクローン達を傷つけない』という信念を、逆手にとった学園都市の暗部により、一方通行を暗殺する為だけに造られたクローンだった。
「ほらほらどうした!?第1位様!!」
「っ……クソが!」
番外個体(ミサカワースト)は本当に一方通行を暗殺する、という目的だけで一方通行を追い込んでいく。
第三次製造計画で造られた番外個体だからか、妹達(シスターズ)とは違い、オリジナルの御坂美琴と同じ攻撃方法だった。
「っ……一方通行!」
「お前はこっちに来んな!!そのガキを守ってろ!」
「でも、っ……」
番外個体に対して全く攻撃しない一方通行に、頼華はただ、打ち止めを抱えて見ているしか出来なかった。
「ま、ミサカが用があるのはそこにいる上条頼華も、だけどねー!!!」
「クソが……頼華っ!!」
未だに番外個体に攻撃しない一方通行を尻目に、番外個体は打ち止めを抱えた頼華に攻撃を開始した、はずだった。
「あはぁ、やっぱりー!あの”幻想殺し”と似て変な力、持ってんの、ね!!」
番外個体からの攻撃をモロに受けていた一方通行は、目を疑った。