第28章 結び目(一方通行)
「……何故お前はいつも俺に着いてくる」
「…言ったじゃない、私は打ち止めの保護者代わりで_____」
「それだけか?」
「…え?」
「……本当にそれだけかって聞いている」
見上げれば、少し顔を赤くした頼華の顔が目に入る。
「…」
「……どうなんだよ」
「……一方通行と一緒に居たいから、じゃ、ダメかな」
……何を言ってんだこいつは。御坂妹(シスターズ)を使ったレベル6シフト計画で、俺を殴ったあのレベル0のヒーロー気取りの野郎と、どこか似ているこいつを、俺自身はどう思っているのか。
打ち止めを攫われた時もこいつは、頼華は、自分の命も顧みず___彼女自身がレベル0だと、いつか言っていた。
あの野郎と一緒だが、目つきはあの野郎と同じもので。あのクソ野郎が持っている”幻想殺し(イマジンブレイカー)”は幸いにも持ち合わせてないが、何故か彼女の手からは炎が出るところだけは目にしたことがある。
何時だかこいつが言った『一方通行が私の生きる意味、だよ』今なら分かる気がする。
「……一方通行?」
「……何だよ」
「……ううん、何でもない」
「はっ…そうかよ」
打ち止めとは違う、あいつは俺が守らなきゃいけない命で。
じゃあ、俺にとっての頼華は_____
「…おい、」
「なに、一方通行______!!」
「……これでいいか」
「…馬鹿だね、一方通行」
「あぁ、お前もな頼華」
結び目
__俺とこいつを結んで
はじめは緩く結ばれたはずの結び目は
いつしか固く結ばれていて
それは離れられないくらいほどに
そこに点として存在する打ち止めと
ともに3人で______
(彼の帰る場所になれたらと思っていた)
(彼女の元に帰りたいと思っていた)
(ふたりを結ぶ点がみさかなの!)
なんて、打ち止めは微笑みながら寝ていた。
(……明日、どっか行くか)
(…え、いいの?)
(…どうせ着いてくるんだろお前ら)
(…うん!!)
ふ、と笑った一方通行の顔は10代のそれだった。
end
__________
一方通行も打ち止めも
可愛いなぁ幸せになってほしいなぁ
なんて。