第27章 時間(ゾロ)
「…わー!久しぶりのシャボンディ諸島だぁ!!」
あの日、一味がバラバラになってから。
ルフィの”3D”から”2Y”にした意図をくみ取って、この日、シャボンディ諸島に到着した。
「…まぁ、約束の日まであと3日はあるんだけどね」
何故こんなに早くこの島に来たかと言うと。
誰よりも早く、”あの人”に会いたくて、居てもたってもいられずにこんな早くに来てしまったのだけれど。
「…だけどちゃんと着くのかな、ゾロ。」
本人は自覚なし、否定すらしてるけれど迷子癖のある彼がちゃんとここに着くのかな、なんて思ったり。
「…ん?アレって…」
街中を歩いていると、見覚えのあるピンクの髪色が浮遊していて。
その横を歩いているのは____ゾロ、だ。
「あ……!ペローナ!!」
「ん……?ライカじゃねーか!」
ピンクの髪色__ペローナとはスリラーバークで一緒だったから、顔見知りなわけで。
元々スリラーバークで匿われていた私は、モリアがルフィに倒されてからルフィに一味に誘ってもらった。
私自身、どこかの国の血筋であるとペローナから聞かされている私だけど、そもそも国にいた頃の記憶なんて全くなくて。
だから一味にさそわれて海賊になっても、別に何とも思わなかった。
スリラーバークでの扱いは、それはもうなぜか私にだけなのか、みんな優しくて。
恨みなんて、ない。
だからペローナとは親友、ってことなんだけど。
「…ライカ、だよな?」
「…ゾロ」
そんなことを思いつつ、ゾロに目をやれば2年前よりさらに男っ気が増している。
片目、なくなってる……身長も伸びてるけど、ゾロなのは変わり無かった。
「良かった、お前で」
「……私も最初に会えてよかった!」
ペ「ライカがいればあとは大丈夫だな」
「ありがとう、ペローナ」
はやる気持ちを抑えながらペローナに感謝を告げてゾロとともに歩き出した。
「……」
「……」
たった2年、されど2年、だ。
話したいことがいっぱいあったはずなのに、何から話せばいいか分からなくなって。
ふたりで無言で街中を歩いていた。