第23章 紫煙(XANXUS)
あの木の下で心が通じあったあの日。
あの日で私は地獄から解放された。
まだヴァリアーとしての謹慎は解けていなかったものの、毎日横には恋焦がれた愛しい人。
会えなかった分を埋めるようにそばにいて。
XANXUSもそう思っていたのか、嫌がることなくむしろ甘えさせてくれた。
あの、寂しい真っ暗な場所にひとり佇んでいた過去。
それを拭ってくれるのはXANXUSだけだった。
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謹慎が開けて今日で1ヶ月。
開けた直後から各人、怒涛の任務が入っていた。
私は勿論彼と一緒の任務。
だけど、任務中はお互いの仕事に集中しすぎている為かXANXUSといてもどこか寂しくて。
そんな日々を悶々と送っていた。
今回は遠征に出ていたから、XANXUSと共に任務が終わりアジトに帰路。
1ヶ月振りのヴァリアー邸で少し安心して玄関で溜息を吐く。
「お疲れ様、頼華ちゃん」
「…ティモッテオさん!」
なんと玄関でお出迎えしてくれたのはティモッテオさんで。
それは嬉しい半面、ちょっと複雑でもあった。
XANXUSの過去を思うと、尚更。
「XANXUSもおかえり」
「チッ……何しに来やがったジジイ」
XANXUSの態度は相変わらずで。
眉間に皺を寄せて言う彼の腕を少しくい、っと引っ張った。
「……」
「ティモッテオさん、何故ここに…?」
「ちょっと君たちに話があってね」
そう言う彼の表情は穏やかで。
たぶん裏はない、そう思ってXANXUSの腕にしがみついた。
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「任務の後に急に訪ねてすまないね」
「いえ、大丈夫です。何かあったのでは?」
ティモッテオさんは相変わらず笑顔で話し続け
片やXANXUSの眉間の皺は深いままだ。
「君たち、付き合っているそうだね」
「…へ??」
穏やかにそう言ったティモッテオさんは
使用人が準備した紅茶を口にする。
一方で己から出たのは素っ頓狂な声だった。
え、なぜ?彼が知っているのか。
XANXUSと恋仲になってからあまり日は経っていないが知っているのはヴァリアー邸にいる仲間たちだけだと思っていた。
ボンゴレ本部の人間が行き来することも何度はあったが二人でいる所を遭遇したこともない。
じゃあ何故ティモッテオさんは知っているの?