第3章 私たちには壁がある(XANXUS)
「……」
「…XANXUS…?」
まるで壊れ物に触れるかのような優しい抱擁。久しぶりに嗅ぐ彼のコロンは彼女の心に溶け込んでいくようだった。XANXUSはといえばただ黙っていただけだったがふと口を開いた。
「…頼華」
愛しい声で紡がれる己の名前に泣きそうになる彼女。
あぁこの人はこんなに温かかったと背中に手を回せばそれを了承したかのようにXANXUSに強く抱きしめ返された。
「っ…XANXUS」
「…どうした」
「ずっと……ずっと待ってたよ」
「…あぁ、待たせた」
いや、待たせすぎたな、と体を離し頬を撫でながらXANXUSは言う。
「………すき」
「…あぁ」
知ってる。と言わんばかりにXANXUSは彼女に口付けた。
無償の愛などいらない、と思っていたXANXUSも彼女からの愛ならばそれもいいかとそう思いながら再び彼女に口付けをした。
私たちには壁がある
──その壁を作っていたのは俺の方だった
幸せそうに笑う頼華と優しそうな表情のXANXUSを本部から見ていたルッスーリア達。
あぁその笑顔が見たかったのだと皆がそう思いながら2人を見つめていた。
(さぁーて、今日はお祝いね!)
(やっとくっつきやがったかァ)
(ししし、ボスかっけー)
(ボスと、頼華様が漸く…!)
(レヴィ、君泣きすぎだよ)
(ねぇXANXUS、ずっと一緒にいてね)
(……あぁ当たり前だろ)
end
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あとがき
お読み頂いてありがとうございます。
なんかめちゃくちゃ長かったような…申し訳ないです
XANXUSには幸せになってほしくて
長々と書いてしまいしました笑