第2章 捨てた希望
悲しい話。
泣いてたもん。
でも、涙の一滴も出ないくらい
私は過去を捨てたよ。
歩けるようになる!って
希望も捨てたよ。
ただ、お母さんたちの前で
笑ってるだけ。
ときどきリハビリ頑張るふりして
やってみせてるだけ。
「はい。じゃあ今日はここまで」
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
私の挨拶と同時にお母さんも頭を下げる。
看護師さんは、肩を揉みながら出ていった。
隅から隅まで感じ悪っ!
べーっと舌を出してやった。
「、頑張ってね。お母さん応援してるからね」
「ありがと、お母さん」
じゃあ、行くね。
荷物をまとめてお母さんが帰ってく。
私は、病院で入院中。
それは、事故で下半身不随になったから
ではなく
一週間前に、脳に小さな小さな腫瘍が
見つかったから。
「小さな小さな小さなね?」