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空と陸の距離

第9章 また逢いたい


「じゃ、戻りましょうかね」
「うん」


和さんの首に腕を回す。
足に和さんの腕が触れて
ふんわり体が浮いた。


お姫様だっこをして
私を車イスに乗せてくれる。

膝に膝掛けをかけてくれて
ふふっと微笑んだ。



「明日も会える?」
そう聞きたかった。


でもそんな隙間なく、
車イスが出発する。


なんとなく、和さんの雰囲気が
それを聞かせてくれなかった。





「和さん」
「ん?」
「ありがと」
「さっきから、そればっかり」
「そだね」





ありがと。
そればっか


それしか言えない。








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