第8章 泣かないで
「か・・・か・・・」
呼吸困難に陥った私は
上手く和さんの名を呼べないで
硬直中。
「ほら、止まった」
ふふっ
またそうやって笑う。
私がどれだけドキドキしてるか
知りもしないで。
「和さん・・・」
「なんですか?」
「それは・・・まずいのでは」
「うっさい」
もはやこの人は
1度決めると誰の意見も耳にしないらしい。
べー、と舌を出して
あっかんべーをした和さん。
なんか
なんか
「犬みたい」
「・・・は?」
「和さんありがと」
「私はやりたいことをしただーけ」
「アイドルのくせして意外とエッチ」
「オトシゴロはそういうものよ」