第7章 見えない恋心
「正直むかついた。自分の意思で生き残れたわけじゃない。こんな足を求めてたわけでもない。悲劇のヒロインなんて、そんなダサい人だと思われたくない」
目に溜まる涙を
彼女は必死に呑み込んで
我慢している。
「だから、ポジティブに生きてやるって決めたの。だから・・・全部捨てられたの」
ぽーいってね
また笑ってそう言った。
もし今私が励ませば
同情していると思うんでしょうね
この人は。
起きて、車イスに手をついた。
そして、目に指を沿えて
溜まった涙を拭った。
指を伝って零れる雫。
さんの
心が溶けて、出てきたもの。