第7章 見えない恋心
「落ちないでよ?」
「・・・お姫様だっこだ」
「はいはい」
そう言って二人で夕日を見た。
「カラス」
「うん」
「・・・怖いの?」
「ううん。こんなに夕日・・・大きかったんだね」
「そうですね~」
感動しているさんを
間近で見ていると
お姫様を抱く王子の気持ちが
わからなくもないですね。
「重くない?」
「軽すぎて気持ち悪い」
「爽やかにグサッとくるね~」
「それが二宮和也くん」
誰もいない、二人だけの屋上。
沈んでいく夕日と
仲良く家に帰るカラス。
「本当に、辛くない?」
「なんなら今手を放してもいいのよ?」
「それだけはご勘弁を」
「ふふっ。するわけないでしょ」
「わっ!」
それからさんを抱えて
少しその場から下がってから
ぐるぐると回転してみせた。
からかってるだけなのに
「ぎゃーー落ちる~」
なんて叫んでる。
「落ちるわけないでしょ?ちゃんと持ってあげてんだから」
「楽しいけど・・・怖い」
首に巻かれた腕に
キュッと力が入ってる。
楽しすぎて、お互い笑いが止まらなかった
そんな楽しい夕方です。