第7章 見えない恋心
「私、貴方に会いたかったんだと思う」
「変な感じ」
「へん?」
そう。
すごく変。
「貴女、へんですよ」
「どゆこと?」
ほら、やっと目が合った。
子供みたいな素直な瞳が
夕日に照らされて輝いてる。
「俺のこと、ドキドキさせてる」
「え?」
「俺だってね、忙しいのよ?」
「知ってる」
「じゃあなんでここにいると思う?」
「検査帰り」
「ほら。本当に貴女バカ」
さんの頭に手をおいて
髪をぐしゃっと撫でた。
肩までの髪は
ふわふわで
いい香り。
「会いたかった・・・ただそれだけよ」
そう。それだけ。
この人に会いたかっただけ。
「そんな顔しないの。大丈夫。わりとバカ好きだから、私」