第7章 見えない恋心
隣に来るなり
「綺麗・・・」
と呟くさん。
その横顔が
直視できなかったのは
夕日が眩しすぎたせいでしょう。
うん、そういうことにしときましょ。
「やっぱり、来たんだね」
夕日を見ながら話すさん。
「誰かさんに頼まれたら、来るのが礼儀ってもんでしょ?」
「ありがと・・・」
「え?」
夕日を見続ける彼女は
それに全てを捧げている感じがした。
ただ、勝手に口だけ動いてるように
ポツリ、ポツリと話し出す。
「今、私思ったんだよね」
「なにを?」
「誰かと約束して、そのために急いだり、苛立ったりして、結果、こんな景色が見られて、その人の隣が一人のときより心地よくて・・・」
ドキドキしちゃう、と言った。
なんなの。
どうして
俺
どうしたんでしょう
この人から、目が離れない。
完全に、やられてる。