第1章 心で生きてる
「ママに、会えるの?」
体をこっちに向けて言うちび。
「ママには、会えないけど、
ずっとパパと悠のこと見てるから。
いつも言ってるでしょ?」
笑ってそういい聞かせてるけど
まだ4歳の悠生にはむずかしいし
受け止めがたいかもしれない。
「会えないの?」
「そうね」
そう言うと、悠生は歩いて
仏壇の前に言った。
の遺影をじっとみつめる。
「ママ?」
「ママだよ。知ってるでしょ?」
とは言っても、悠生はと
一年しか一緒にこの世界にいない。
じっと見つめたあと、
いきなり悠生が遺影を持って
床に叩きつけた。
「悠生!?おい!」
叫んで拾おうとすると
また持ち上げて投げつける。
「何してんだよ、悠生やめなさい!」
それでも握りしめて放さない悠生。
「悠生!それママだよ?何でそんなことするの」
「ママじゃないもん!」
「・・・え?」
我が子から出るとは思えない発言。
パパ行動停止。