第4章 沈む夕日
チン、という音がして
ドアが開いた。
もう慣れたけど、薬やらなんやら
の病院って感じの匂いがする。
「あとは大丈夫。部屋に戻るから」
「そう。じゃあ私も帰りましょうかね~」
「楽しかった。ありがと」
あまり言い馴れてないからか
目を見て言い難かった。
「こちらこそ」
出入り口まで来てから
端で自然と少し話をした。
「今度会うまでにメンバーの名前でも覚えときますよ」
「え、明日までに?頑張りますね~」
二宮和也がしれっと話す。
「明日、また会えるの?」
「べつに。・・・変ですか?」
「だって、芸能人でしょ?」
「しーー」
人差し指を私の口許に持ってきた
二宮和也は、口角をあげて
お得意に笑う。
にしても・・・二宮和也って
名前が長くて面倒。
「ねえ」
そう話しかけて驚いたのは
同じタイミングで
向こうも
「ねえ」
と言ったからだ。