第4章 沈む夕日
「で?な・ま・え」
「ですよ。いい名前でしょ?・・・なんてね」
「ま、悪くないんじゃないですか?さん?」
「そうですか?和さん?」
エレベーターで下に向かいながら思った。
世間知らずの私だから
こんなに話せてるのかなって。
だって、病気じゃないと
会えてなかったってことでしょ?
「男の人に押してもらえたの初めて」
「初めてが二宮和也とは、貴女やるねぇ~」
「私が頼んだんじゃないもん」
「はいはいそうでした。お嬢様」
「よろしい」
今日初めて知った人だけど
すぐにここまでこれた。
人当たりの悪い私には
勿体ない人だけど
何となく感じる。
アイドルを、捨てた時間が
この人には必要だったのかも・・・て。