第3章 はじめまして
知らない間に、私は彼女と
もう友達みたいに話してた。
芸能人っていう自分を忘れられた。
「それで?入院中の理由は?」
「・・・脳にね・・・小さな腫瘍があるの」
「・・・え・・・」
楽しそうに話してた彼女の目から
少しだけ光が消えてしまった。
夕日が沈み始めてる。
「腫瘍が一週間前に見つかってね?
それで入院中なわけよ」
「・・・」
さすがにかける言葉が見当たらなかった。
だって、事故で下半身不随になった上に
腫瘍見つかって入院中って・・・
ふと思った。
なんで、こんな無邪気な笑顔の
彼女ばかりが・・・?
って。