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空と陸の距離

第16章 おやすみ




「薬が効いてきた」
「眠い?」
「うん」
「悠、おいで」


和さんが悠生を抱えてくれた。
眠いんじゃなくてね、本当はウソ。


人は、死ぬって予測できるんだって。
本当にそうだと思う。

頭がクラクラするし、気持ち悪い。
でも、こうやって
大好きな家族に、囲まれて
お空に逝けるって……きっと今私は世界一幸福者だな。



「子守唄、歌ってあげましょうか?」
「うん!」


私と悠のために、子守唄を歌ってくれる和さん。
和さんが歌うと、なんだかかっこいい子守唄になる。




「おやすみ」
「おやすみなさい、さん」





よかった。
ちゃんと言えてよかったよ。

意識が遠退いていくけど
ちゃんと、側に和さんと悠生がいるって
感じられる。













小さい声で、呟くよ。
「ありがとう」って。


怒らないでね、和さん。

寝るだけだから。
それが、人より少し早いだけだから。













涙がつたって、枕に染み込むとき、
私は眠りにつきました。



















おやすみなさい




















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