第16章 おやすみ
ベッドの上で、悠生を抱えながらさんは言った。
「和さん。お願いがあるの」
「なに?」
「もし、悠生が泣いても、悠生の前では泣かないで」
「え、なんで?」
「悠生の心でも生きてたい。
それが、たった1日でも・・・」
小さな寝息をたてる悠。
息してるのかティッシュで遊んでたけど
今はそのティッシュを捨てた。
それから、ベッドに体重をかけて
悠を挟んで、にキスをした。
「悠が大きくなったら、できなくなっちゃうでしょ?」
「大きくなる姿・・・見たかったな」
「なにいってんの?見られますよ」
「母親がいないって、大丈夫かな」
「・・・」
「だって、不安だもん」
「まだまだ悠はちびだから。今できること考えよ」
「・・・うん」
キスも、もう少ししかできないよね
そう言って、貴女は初めて私に唇を近づけた。