第15章 もう一回
「楽しかったーー」
「いい時間ですし、寄ってきますか」
「どこに?」
「バカ。公園ですよ、夕日」
「あー」
「まさか、忘れてたの?むかつく」
「すみません・・・」
和さんの匂いがする、和さんの車内で
私は和さんをみつめてる。
片手で運転する、和さん。
手慣れてて、見てて面白い。
「見すぎですよ」
「かっこいいです」
「それはどうも」
「あ!照れてるな~」
そう言って和さんの頬で遊んだ。
ふにふに。
えへへ。
「じっとしてなさい」
「だって、楽しいもん」
「キスしますよ」
慌てて手を引っ込めた。
和さん、ずるい。
そうやって、私で遊んでるんだ。
だって、今もほら、笑ってる。
「地味に傷つくわ」
「アイムソーリー」
「ふふっ」
ふざけていたら、時はあっという間。
公園についた頃には
いい具合に、空がオレンジ色だった。