第14章 誰にでも
「バタバタしちゃって、ごめんね」
「いえ、翔さんがいてくれなかったら
今大変なことになってましたよ」
「なんだかんだ、皆ニノが心配なんだよ」
「はい。ありがとうございます」
悠をだっこしながら皆さんを見送る。
ピリピリしたままになっちゃって
悠もいい顔してないですけど
それは仕方ないんです。
「気をつけて」
「お邪魔しましたー」
「バイバイ悠」
「ばいばい」
ドアが閉まった。
「悠、眠い?」
「うん」
「じゃあベッド行きましょうか」
悠をベッドに寝かせてから、
後片付けに入ろう・・・と思ってたけど
『ちゃんと、キスした』
・・・なんで?
私、大野さんと間接キスしたんだ
て、そんな笑えることじゃない。
どうして、こんな今更
さんのことで悩まなくちゃいけないかな。