第2章 また、会いにいきます 【富岡 義勇】
「歳はいくつだ?」
はっ?
お互いの生徒達が固まるっていうかなんだこいつ的な空気になる
「先生!突然なに言ってるんですか?そんなんだからイケメンなのに嫌われてるんですよ!」
バレー部の部長らしき生徒があわてて、うちの先生がすいませんと謝った
この人は生まれ変わっても口下手で言葉が足りなくて可愛らしい
また、うーんって私の大好きな顔をするからたまらず吹き出してしまった
「女の子に歳なんて聞くのは野暮だと言っただろ?」
わざとあの頃の口調で言って、肩をパチパチ叩いた
この人はまだ私を思い出してはない、でもまた満月の日に会えたのだ
私に肩を叩かれた冨岡さんの戸惑った顔が、ゆっくりと私を見てくる
奇妙な私達のやりとりに上田さんがたまらず声をあげた
「先生もなに言ってるんですか?パニクってますか?キメツ学園の皆さんまずは宿舎に案内しますので荷物を持って来て下さい!部長案内お願いします」
部長が、こっちですと歩きだし両校の部員が宿舎に向かった
キメツ学園のコーチは実家が近いからと実家に荷物を置きにいった
「では、冨岡先生ご案内します、生徒は2階で大人は3階になります」
「こちらが冨岡先生の部屋になります、1つ空けて次の部屋が私になりますので分からない事があれば聞きに来て下さい」
「…ありがとう」
「では30分後に体育館ですね…」
この3日間で私をまた好きになってくれるだろうか?
それとも、私を思い出してくれるだろうか?
そうだ!今日の夕御飯には鮭大根を作ってあげよう、そして夜は団子と熱いお茶で月見をするのだ
窓から見える空を見上げ夜には綺麗な月が浮かぶようにと祈った
ー終ー