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かわいいひと

第14章 共感覚 【宇随 天元】




2人だけの世界ってのがあるなら今だと思う…



ソファのきしむ音や2人の粘液の絡む音は消えて
夜のひんやりとした空気と
実知の切なげな喘ぎ声 俺の乱れる呼吸音 お互いに名前を呼ぶ声だけが鼓膜を震えさせる



深くつながり果ててを何度も繰り返す

「天元の顔が見たい」

と言って実知は眼鏡を掛けて俺の上に乗り腰を揺らす何度も果てた体は腰を支える俺の指にも反応して実知の中が痙攣する…最後に俺の名前を呼び絶頂を迎え気を失った

眼鏡を外してやり欲にまみれた実知の体を拭いてるとさすがに水が冷たかったの少し意識が戻る その隙に俺が脱いだパーカーを実知に着せると再びソファへ倒れ寝息をたてた
こうなると実知は朝まで起きない

昼寝の為に置いていた毛布を実知に掛けて 俺も自分の体を拭いてから当直用に用意していた服に着替えた



準備室をでて職員室の隣にある当直室へ行くと ちょうど見回りから帰ってきた不死川に合った


「お前…まだ居たのかよ」

苦笑いする不死川だが 多分俺達がああなる事を予想して美術室を見回りから外している


「ありがとな…不死川 実知から聞いた」


あの日偶然俺の絵を見てくれた事に感謝した

「俺じゃねぇよ…お前があの絵にこめた思いじゃねぇの?」


こいつは本当に優しい奴だ…













準備室に戻るとソファの上に寝ていたはずの実知が居ない
一瞬焦るも 気配を感じる所を見ると…

実知は準備室に置いてある俺の机の下にうずくまり隠れるようにして眠っている


未だ続いている実知の恐怖の残骸を目の当たりにした

夜の恐怖から必ず俺が守ってやる

大丈夫だ…もう実知は1人じゃない

俺の家族も居るし実知の家族も居る

頼りになる仲間もいるんだ

優しく静かで穏やかな夜は必ず来る 俺はそれを知っている


実知を机の下から出して2人で寝るには狭いソファに 実知を包むように抱きしめまどろむ

俺の守る順番は今も昔も派手に変わらねぇなぁ…

霧のように霞んでいく意識に3人の女が笑った気がした

誰だろう…と考える間もなく俺は眠りに落ちた






ー終りー









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