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かわいいひと

第14章 共感覚 【宇随 天元】




中学の頃から勝手に写メを撮られたり 通学路で待ち伏せなんかされたりしていた


適当に遊んでたが 高校の頃に遊んで捨てた女が妹を虐めた事があってから
家族に被害がでない為に俺自信がぶっ飛んだヤバイ奴に見えるように派手な化粧なんかして暴力事件も起こしたりと派手に暴れた



大学生になり世界が広がると それにともなって出会う人も増える…
人が増えると色んな奴がいて勝手に俺の画像をSNSに上げたり中には軽いストーカーになった奴もいた



「派手に面倒くせぇ…」



散々ろくでなしを演じた結果 顔はいいが女にだらしなく自分勝手で乱暴でサイテーな男という肩書きが付いて女は寄って来なくなった




油絵の具の匂いとキャンバスに向き合う時がいつもの自分に戻れる場所でそれに俺は救われていた




今日も自分のキャンバスに向き合う
描く時に音楽を流す奴もいるが 俺は何も流さずに喧騒の中にリズムを感じるのが好きだった

人の笑い声 話し声 足音 鼓動 音に敏感な俺は人から溢れる音を感じそれを描きたい…




カシャッ




不協和音がした カメラか?



振り向いた先には1人の女がカメラを構えて俺を撮っていた



「おい!盗撮だろ!」


低い声で威嚇して近づく…190もある身長で輩感をだした俺に 大体の女は怖がり逃げるが…この女は違った





「ごめんなさい…綺麗な色だったから」



どこか遠くを見ているような目を俺に向ける 驚きはしているが心音は乱れていない…嘘はついてねぇな

しかし今向き合っているキャンバスはまだ真っ白だし「綺麗な色」の意味がわからない


「色ってなんだよ?まだ何も書いてねぇよ」



「共感覚って知ってる?」




女…瀧崎 実知(たきざきみち)は写真学科の4年で俺の2つ上だった

見た目は地味な女だ目は丸くて小さくて鼻は低くて口はでかい 髪も短いから小猿みたいな顔がより猿っぽい 笑った顔も小猿で憎めない顔だ



遠くを見ているように見える目は中学の時に交通事故にあいその後遺症で視力が著しく低下した為


それと実知は昔から「共感覚」があり「色聴」人の話し声や姿 性格 が「色」で見えるらしい


そしてその色にピントを合わせたいから と カメラを撮る時は裸眼なんだと言った



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