第12章 私の太陽 令和編【煉獄杏寿郎】
「喉が渇いたから水を飲んでくる」
「う…ん…冷蔵庫に水が入ってるよ」
もう一度肩に口付けてベッドを離れた
冷蔵庫から水をだしコップに注ぎ一気に飲みほした
宇随がくれたビールが玄関に置いたままだった事を思いだし玄関に行くと
保冷バッグに入ったままの食材とかもありそれも冷蔵庫に入れる
水を持ってベッドへ戻ると海景は眠っていた
風呂場でタオルを濡らし海景の体を清めて素肌の上に夏用の薄い羽毛布団を掛けた
深影と同じだな…愛しい気持ちをぶつけ激しく抱いた後は気を失いそのまま眠ってしまう事が多かった
目が覚めて清められた体に気付く そして身支度を整えた深影は鍛練をしている俺の所に来て
「ありがとうございます」
恥ずかしそうに言って頭を下げていた
シャワーを浴びて着てきた服をつけリビングに重箱を並べてスマホを手にとる
送ったまま帰って来なかった俺への連絡は入っていなかった
おそらく今の状況を皆が理解しているのかと思う…胡蝶ですら予想して重箱を用意した事も思い出し1人苦笑いをする
勝手に食器棚から皿と箸を出して100年ぶりの愛しい人の作った料理を口に運ぶよく知っている味が口に広がり懐かしさに胸が熱くなる
隣の部屋のベッドが軋む音がして暫くしてTシャツを着た海景が顔を出した
「杏さま…ありがとうございます」
100年前と同じよう恥ずかしそうに言う海景はそのままシャワーを浴びたいと言って洗面所に消えた
髪を乾かしてTシャツに短パン姿の海景はそのままキッチンに行き冷蔵庫を開く
グラスとビールと皿と箸を持ってきて俺の隣に座りグラスにビールを注いでくれた
「杏さま…保冷バッグの中身も入れてくれたのですね…ありがとうございます」
チン とグラスを合わせて美味しそうにビールを飲んだ
「もう杏さまではないと教えたはずだ…杏寿郎と呼んでほしいし 敬語も無しだ
今はただの教師だからな…海景も煉獄家の奉公人でもないだろ?」
「…頑張ります…杏寿郎…」
「その調子だ」
海景の頭を撫でると嬉しそうに笑う
「……さっきはすまなかった…」
「なにが?」
「気持ちが高ぶって…海景の中に出してしまった」
「大丈夫…私も離れたくなかったから…嬉しかった」