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かわいいひと

第11章 雪の日に始まる【冨岡 義勇】





三葉達が帰った後に診察室に忘れ物があるのに気付いた

冨岡が背中に担いでいた物だと思い中を見ると隊服があり、話のながれで推測するに伊黒の隊服だと胡蝶は思った


13歳の三葉の事は しのぶ も覚えている、あんなに可愛らしい少女だとは誰も思わなかった
宇随の家族のおかげで今の三葉がいる




忙しい柱達の為に三葉は定期的に隊服の状態を見に来る
小さなほつれや、傷が戦いの妨げにならないように丹念に確認をしてその場で修繕したり、持ち帰ったりして三葉なりに鬼殺隊に尽くしていた


しのぶ とは過去に蝶屋敷で3ヶ月も過ごした事もあり、隊服を見に来たと言いながら紅茶とパウンドケーキを持ってきて、結局ひと針も縫わないまま2人でおしゃべりをしたりする友達だった



三葉さんを傷付けたなんて…やっぱり許せませんね…


伊黒への嫌がらせを思いつき、可愛らしい顔に悪い笑みを浮かべた






それから数日して三葉の足の腫れが引いた頃に、甘露寺に誘われて昼食を食べに洋食屋に行くと伊黒がいた


「今日は伊黒さんの三葉ちゃんごめんねの食事会だからなんでも好きなのを好きなだけ食べていいのよ」

と、戸惑う三葉に甘露寺が、いつもの笑顔に似せた黒い笑顔で言った


しのぶ は三葉が忘れた伊黒の隊服を甘露寺に持っていき事の顛末を話した

神社での怪我は伊黒のせいでは無かったが、甘露寺はちゃんと話も聞かないで三葉ちゃんを怒るなんて!と珍しくぷんすかして

「しのぶちゃん…まかせて!」


甘露寺に任せた結果ごめんなさい食事会が開催された



「宇随からも聞いた…すまなかった…」


意外と素直な伊黒の謝罪と初めて食べたハンバーグに胸もお腹も幸せ一杯になっていた

店内では隠れていた鏑丸が帰りに際に、いつもの挨拶で三葉の頬をチロリと舐めると、そのお返しにテンションの上がった三葉が鏑丸の頭に口付けをする

初めて口付けをされた鏑丸が恥ずかしがり伊黒の羽織の中に隠れてしまう
羽織の陰からチラッと顔をだす鏑丸が可愛いと三葉はクスクスと笑い仲直りをした







伊黒と甘露寺と別れた三葉は呉服屋へ寄った

洋裁学校からの付き合いの呉服屋の主人は人柄もいいし舶来品の知識も凄い、三葉と一緒に来た宇随がこの主人を気に入り宇随家御用達になっていた


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