第9章 恋に落ちる 2 【不死川玄弥】
今日は何の甘味にしようか…と考える
照れくさくてあまり会話はできない…っていうか目を合わせるのも苦手だから緊張していつも睨んでしまう…
それでも三人娘は妹のようで可愛らしいし、同期のあの女と少し先輩のうるさい女もそれなりに可愛いと、態度には全くでていないが…思ってはいる
胡蝶さんもすっごい美少女だから、診察とはいえ診察室で二人きりなると緊張してうまく話せない
そんな俺を少し理解してくれているのか、蝶屋敷の女の子達は優しくしてくれてる気がする
だから定期検査の時は手土産に甘味を持って行くようにしていた
だけど今日は甘味ではなくアラレにした
「本日開店」と看板が出ていた店からは、揚げたての香ばしいアラレの匂いと、糖蜜の甘い匂いが漂いなんとも旨そうだった
「一つお口汚しにどうぞ」と、思わず立ち止まっていた俺に糖蜜の掛かったアラレを一つくれた
甘塩っぱい味とアラレの香ばしさが絶妙で、すぐに今日の手土産に決定して大きな袋の方を三つ買って蝶屋敷へと向かう
途中で花屋に寄り鷺草の花束を一つ買って、アラレ屋で貰った紙袋にアラレを一袋と花束を入れた