第7章 匂いに酔う【竈門 炭治郎】
どこで覚えてきたのか、美桜を褥に誘い首の下に腕をいれて抱き寄せた
「なんか慣れてない?」
自然と腕を回してきた炭治郎に聞いた
…美桜さんから嫉妬の匂いがする
「任務で遊廓に行った事があるんだ、それで姉さん達が客にしてたり、されたりしているのを見てたから…」
美桜の髪を一房掴み指に絡ませる
甘い匂いと石鹸の匂いが鼻をくすぐる
「客としていったの?」
嫉妬の匂いが少し濃くなる
「違うよ宇随さんに女装させられて、禿として店で働いたんだよ。花魁姉さんにはすぐに男ってバレてたけどね」
すぐ近くに美桜のホッとした顔があり、炭治郎は甘さの増した匂いに自然と体が動き、美桜の柔らかな唇に触れるだけの口付けを落とした
「こんな事をするのは美桜さんとが初めてだよ」
炭治郎くんの顔が…男の人になった
そう思ったら美桜の子宮がキュンと疼く
美桜は6歳くらいから家族以外の他人と接する事がなく、あっても産屋敷か柱、隠の人くらいで本当に世間知らずだが
祖父がイギリス人で祖母への愛情表現は日本人からすれば大胆なものだったし、祖父から医学としての女性学の知識もそれなりにあった
愛し合う者がその相手を慈しむ為にする行為もちゃんと知っている
だから子宮が疼く事で、自分がどれだけ炭治郎の事が好きになっているのかが分かった
私の体が炭治郎くんを欲しがっている
美桜の方から炭治郎を抱きしめて口付けをすると、お腹の辺りに硬い物が当たった
美桜の翡翠色の瞳から逃れるように真っ赤に染まった顔はそらしたが、硬い物はそのまま美桜のお腹に当てられたままだった
美桜の甘い匂いが一段と濃くなり、炭治郎の頭がぼんやりとしてくる
「美桜さんの匂いが…甘くて媚薬のようで凄く気持ちがいいんだ……ねぇ…分かる?」
耳元で囁かれた美桜の肩がピクリと反応した
「私も…炭治郎くんを見てると、顔が熱くなってのぼせてしまいそう」
美桜も炭治郎の耳元に顔を寄せて囁き、炭治郎の匂いを嗅いだ
「甘い匂いは分からないけど、炭治郎くんの匂いは好き」
「昼間に蝶屋敷のベッドの上で同じ事を言われた…」
「私そんな事言ったの?」