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かわいいひと

第1章  歩く姿は… 【不死川 実弥】





いったん自室に道具を取りにいき、明日から作業をしやすいように薬草の整理と道具の手入れをした



準備が終わった頃には私もすっかり薬草臭くなっていた
不死川様は薬草の臭いはダメみたいだし先に湯浴みしてからご飯の準備しようかな





自室に戻り着替えを取り出した時に、甘露寺様からもらった香袋を思い出した

お湯に浸けるといい香りがして気持ちいいよって言ってたな

今日はゆっくりできるし使ってみよう




甘露寺様は私が蝶屋敷にいた頃、時々遊びに来ては皆に女の子らしいお土産をくれた


この屋敷に来てからは会ってないな…ギュッと抱きしめられると胸が柔らかくて気持ちいいんだけど苦しかったな


そんな事を思い出しながら自分の胸に目を落とす


比べる対象が間違っているな



あの蒸し暑い夜に付けられた胸の傷は、鬼の毒の影響で赤黒く残っていた。大分薄くはなっていたけどまだまだだな…



湯船に香袋をいれると花のような少し甘い香りがひろがった



「本当にいい香り…」




こんなにいい香りのお湯だから、今日は髪も洗う事にして長湯を楽しんだ















「不死川様夕食の準備ができました」




廊下から声をかけても返事がなく、ちょっと悩んだけど


「鍋の準備はできてるし仕方ないよね」そんな言い訳を作り襖をあける



意外と寝相がいいな…

襖に背を向けて寝ている不死川様に近づき手を伸ばす

「起きて下さい、くすぐりますよ」

ポンポンと叩いたら、クックッと笑いながら起き上がった



「なんだよ、くすぐるって」




「あっ!弟を起こす時にいつも言ってたので…すいません」



「いや、昔を思い出すな」



「昔ですか?」



「俺もよく、くすぐって起こしてたからな…」



笑顔で言うけど、すごく寂しそうに見えて不死川様に両手を伸ばす



「うわっ!お前…なにすんだよ!」


急に私が不死川様の首をくすぐったので、ビックリして身をよじる


「小太郎は首が弱かったので」


逃げようとするので腰をあげて追いかけてくすぐった



「ふふふっ、首が弱いのですね?」




「わっ…バカ!」



身をよじりながらも私の両手をつかむ



意外と近い距離に不死川様の顔があった













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