第6章 初めての人【宇随 天元】
「海奈帆!すっげぇ嬉しい!!」
大きな宇随の腕の中に冨岡と海奈帆はすっぽりと包まれて3人でニコニコと笑い楽しそうにしていた。
「で…冨岡とはキスはしたのか?」
朝の冨岡の失言…忘れて無かったのか
「煉獄も不死川もこいよ」
宇随は机の上にある生徒の差し入れ弁当を掴み、海奈帆と冨岡は美術準備室に連れて行かれた。
「なんで俺も…」
冨岡とキスってなんだ?
「いいじゃないか!不死川も知らない話が聞けるぞ!」
煉獄は自分の大きな弁当と冨岡の机の上にある、おそらく不死川が作ったであろう弁当を持って準備室に向かった。
不死川も準備室に行けば、生徒用の机を4つあわせて4人が待っていた
「不死川先生は冨岡の隣だから」
海奈帆、冨岡、不死川、宇随、煉獄の順で机を取り囲むように座り海奈帆が
「では、いただきます」
と、言うと不死川以外の3人は「いただきます」と言って食べ始めた。
海奈帆は冨岡と不死川の弁当をじっと見て冨岡に「卵焼き食べたい」と言って口を開けて待ち、冨岡が海奈帆に卵焼きを食べさせていた
モグモグと食べた海奈帆は「不死川先生って料理上手だね」と不死川を見て言った。
一緒に住んでいるのがバレないように、弁当の中身はいつも違う物を入れていた
冨岡が話したのだろうか…いろいろと考えている不死川に海奈帆は
「私と冨岡は20年の付き合いだもん、冨岡の好きな人くらい分かるよ」
「不死川、俺も宇随も気付いてるぞ!あぁ…そうだ妹の千寿も知ってるぞ」
そう言われて不死川は真っ赤な顔になり頭を抱えた
「冨岡と私は…お互い事故のようなファーストキスの相手なんだよ…」
そう言って14歳の時の話をして、宇随と不死川のモヤモヤを解消した
「だから…本当に天元が私の初めての人になるんだから大切にしてね」
目の前にいる派手好きでチャラそうに見える男を見た。
「俺だって10年片思いしてきたんだ海奈帆が最後の女になるよ」
海奈帆はニコニコと笑い
「天元が私を泣かせたらお仕置きは3人にお願いするね」
お願いされた3人はニヤリと笑い頷く
元柱3人相手は流石に無理だわ…宇随は苦笑いをするしかなかった
ー終ー