第5章 恋に落ちる【不死川玄弥】
「俺も…あの日瑞穂さんの風に舞うように戦う姿に一目惚れしてた」
「本当に?」
「凄く綺麗でした…いっ…今は可愛らしいです」
玄弥の呼吸が肌に響いて幸せだ
「玄弥もドキドキしてるね」
瑞穂は嬉しさのあまりに力を込めて抱きつくと、仮にも柱に近い隊士なので玄弥が思っていた以上に力がありバランスを崩し倒れてしまった
咄嗟に瑞穂を庇い玄弥は背中から地面に倒れ、瑞穂が玄弥を押し倒した様な体勢になってしまった
「ごめんね、背中痛くない?私重くない?」
「痛くないし…瑞穂さんは重くないです」
下からみる瑞穂が ぷくっ と頬を膨らませていた
「「瑞穂さん」なんて言わないで瑞穂って言って!言わないとこのままだから」
アーモンドのような切れ長の目がじっと玄弥を見つめる、再び赤い顔をした玄弥は目を反らす。それでもまだ見つめる瑞穂の視線が玄弥の首筋に注がれた
ピリッ 柔らかい感触の後に痛みが首筋に走る
!!
「…言って」
真っ赤な顔に大きく見開いた目の黒い瞳が揺れていた
「み…ず…ほ」
そう動いた唇に瑞穂は柔らかな口付けを落として「もう一度言って」と呟いた
「瑞穂」
はっきりと呼ばれたと同時に玄弥の左手が瑞穂の後頭部を掴み噛みつくように口付けをされた
玄弥は右手で体をささえて上半身を起こし、何度も角度をかえては瑞穂の呼吸を奪う
息をするために薄く開けた唇の隙間に玄弥の長い舌が入り込んで瑞穂の上顎をくすぐるように動く
さっきまでの余裕も無くなり、されるがままに玄弥の唾液を飲みこむ
気が付くと瑞穂が玄弥に押し倒され隊服を乱されようとしていた
「げ…玄弥…待って」
腰には玄弥の硬くなった欲棒をしっかりと感じる。瑞穂も玄弥と肌を合わせる事には何も問題はない。しかしここは外で、どこにも隠れる所もない悲鳴嶼さんの広大な屋敷の中にある滝壺なのだ
待って…そう言われても一度火を付けてしまった体はそんな簡単には消せない
意外と器用に隊服のボタンを一つ一つ外していく。欲望にかられて瑞穂の体を見る玄弥の顔に瑞穂は魅せられて、抵抗するよりも今の玄弥に自分の体をどう愛してくれるのか知りたくなった
ボタンを全て外し、瑞穂の白い肌と巻かれたサラシが玄弥の目の前に現れた